個展「時の経過を知らせる、琥珀色とセピア」
名残惜しい気持ちがいっぱいですが、無事幕を閉じました。
足を運んでくださったみなさま、気にかけてくれたり、連絡をくれたりと
本当にありがとうございました。
ギャラリーを自分で探して、会期中ずっと会場にいたのは
実は、はじめてでした。
ずっと会場にいるなんて暇だろうなと思っていましたが、
自分が作ったもので作られた気に入りの空間は、
全く飽きることなく、自分が自分の作品を一番鑑賞していました。
今回は会場決定から展示スタートまでだいたい一ヶ月という
かなり短い時間での準備期間で、
いろいろうまくいかないことの隙間を埋めることを目的として
展示に臨んでいたような気がします。
ですが、展示がはじまり、いろんな人に作品を見てもらって、
「よかったよ」と言ってもらえた毎日は、
隙間を埋める以上の体験となりました。
どうがんばってもうまくいかないものごとは、
避けようがなく、肩を落とすことが多いですが、
自分には「作る」ということで色々な感情を補っているような気がしていて、
そのことを実感する展示でした。
そして、展示に来てくれた大学の友達が作品をみて、
大学1年生か2年生のときの赤をテーマにした課題で
私が色褪せていく本の背表紙の赤を作品にしてたことを思い出してくれた。
言われるまですっかり忘れていたけれど、確かにそんな作品をつくっていた。
あとでデータを探してみてみると、
古本の背表紙の赤色が色褪せていくのを採集したもので
「 赤時計 -赤という色が語るそれぞれの時の流れ- 」
というタイトルまでつけていた。
あー、自分は10年以上の時間が経っても、
変わらない感覚を持っているんだな、と妙に嬉しい気持ちになった。
これから10年、わたしはどうなっていくのだろう。
変わってもいきたいし、変わらずにもいたい。
歳をとるのも少し楽しみになった気がする。
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時の経過を知らせる、琥珀色とセピア。
砂糖が焦げてカラメルになるように、
本のページが陽に当たり、色褪せるように、
色あざやかな花が朽ちて茶色になるように、
ブラウンという色は時の経過を知らせる色。
2019.11.08 - 11.14
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最後に当時の作品も載せておく。